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どんなに素晴らしい前例があろうと、今までずっとそうやってきたという理由だけで「昔からのやり方」を律儀に繰り返すことはないのだ。
これから先は、会社に忠誠を尽くすのではない。
会社は私たちの能力にお金を払ってくれるだけだ。
そうではなく、自分の能力そのものに忠誠を尽くすのだ。
自分の仕事と、その仕事を尊重し励ましてくれる職場に、忠誠を尽くすのである。
ひとつの会社に長く勤めるという労働形態がなくなってきているという話を聞くと、私たちはふつう、その代わりとして臨時雇いの仕事を思い浮かべる。
全米G協会が行ったアンケートによると、正社員になる手段として臨時雇いを選んだという人が回答者の4分の3を占めている。
そして労働統計局の調査によると、臨時雇いの社員の60パーセントが、正社員になることを希望しているという。
この本をお読みのあなたも臨時雇いかもしれない。
そして、そのような人たちと同じように、安定した職につきたいという誘惑に駆られているかもしれない。
しかし、人生の他のすべての誘惑と同じように、この誘惑も一時的なものにすぎないのだ。
そして一時的な誘惑は、何とかして我慢しなくてはならない。
60パーセントが正社員になりたいと考えているのなら、残りの40パーセントは不安定な身分でも満足しているのである。
あなたもその40パーセントと同じ気持ちになるべきだ。
自分の仕事を、安定した職につくまでの「つなぎの仕事」と表現するのは、終身雇用は過去の遺物であるという事実を認めたくない人たちの最後のあがきなのだ。
実際、臨時雇いがここまでブームになっているのは、雇用形態が変化してきていることのまたとない証拠だろう。
全米に解雇の嵐が吹き荒れた1991年から96年の間で、臨時雇いの労働者の数は、100万人から250万人以上へと飛躍的に上昇した。
その数は全労働者の5パーセントを占めている。
1987年から97年の10年間では、人材派遣サービス業で働く人の数の増加率が240パーセントにもなった。
政府の試算によれば、1995年に限っていえば、全労働者の38パーセント(約3千500万人)がパートや契約社員などの臨時雇いだった。
1997年には、全米の人材派遣会社の数が、5千とも6千ともいわれるようになる。
これはその10年前の2倍の数字である。
そのような派遣会社のひとつであるM社には、登録者が56万人いるという。
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