料金で影響される集客
前回のコラム「会社設立してから始める Web 対策の手順」では、会社を設立して始める Web サイトを制作する際のポイントについて述べた。今回は、その Web サイトをどのようにプロモーションするかについて考えたい。
前回、サイト制作時に「訪問者の理想的な動線はなにか」を考えるべきといったが、Web サイトへ訪問者を増やす施策(=集客)も基本は同じだ。
ターゲット層を想定して Web サイトを作ったのに、違うターゲットで集客したら意味がない。だが、実はしばしば見受けられることなのだ。例えば SEM 施策を行う際、登録したいキーワードが Web サイトに関連するコンテンツが無いため掲載できないということがよくある。サイト制作担当が考えたターゲットユーザーと、集客する担当者が考えるターゲットユーザーとが違っていたのが原因のひとつと考えられる。
大企業の場合、Web サイトを制作する部署と、集客をする部署が別で、それぞれが別の角度からターゲットを考えて施策をしてしまうことがよくある。その点、設立直後の会社では、良くも悪くも同じ人が両方考えないといけない事が多いので良いかもしれない。サイト制作とサイトへの集客。ターゲットユーザーは一貫して考えるようにしたい。
■サイトプロモーションの最初は SEM とアフェリエイト
折角、Web サイトを立ち上げてもそれだけではあまり集客を期待できない。無数の Web サイト(=競合)があり、それぞれ集客施策を行い、しのぎを削っている。サイト集客の手法は多数あり複雑なので、Web ビジネスを行っていない場合、集客に関しては予算をかけにくいので費用対効果が高く、敷居が低いサービスがよいと考えるだろう。業種に特化したポータルサイトへの広告出稿を第一に考えることもあるだろうが、検索エンジン対策(SEM)は、どの業種にも適した施策だろう。
Web サイトへの訪問ルートとして一番多いのが検索エンジン経由であり、ターゲット層を想定しキーワードを選択して対策できるので効率的に集客できる。特にリスティング広告は、最初のプロモーション方法として最適だといえる。同じ検索エンジン対策として SEO も費用対効果は高い。SEM は非常に奥深いため、その施策方法や考え方は、いままでのコラムでも述べてきたし、別の機会にしたい。
次に考えたいのはアフェリエイトだ。プロモーション費用を成果報酬にできるのが魅力だ。特に個人を顧客にしているサービスを提供している場合、アフェリエイトは考えておきたい。成果にかかる対価(CPA)は、自分で決めることができるが、予算が少なすぎると成果数(CV数)を稼ぐことができなくなることがあるので注意が必要だ。これ以外の施策もたくさんあり効果があるものもあるだろうが、SEM とアフェリエイトを最初に検討することを薦めたい。
■自社サービスの告知方法を工夫する
広告と別の視点から、Web サイトのプロモーションを考えてみよう。会社を設立して自社のサービスや商品ができると自社サイトの「新着情報」等の欄に掲載するのは一般的であり、当然行うべきだ。
しかし、自社の Web サイトの中だけで告知するのでは十分とはいえない。既にユーザーが訪問すれば関連する情報が得られると認知されている Web サイトなら Web サイトのみの告知で十分だが、多くの場合そうではない。
Web サイトをリアルの店舗と考えれば、Web サイト内の告知は来店者のみに告知しているに過ぎない。店舗に向かわせる動機にするためには別の施策が必要だ。
インターネット上には、プレスリリースを掲載しているポータルサイトや、各媒体にプレスリリースを一斉配信してくれるサービスがたくさんある。これらに掲載されるリリース情報は、紙媒体と違い、リンクをたどって自社サイトへ1クリックでたどれる場合が多い。関心を示してくれたユーザーがすぐに Web サイトに訪問してくれる動線を獲得する事ができる。
サービス・商品の問い合わせをする動機として、大きな要素になってきているのが、ユーザー自身の意見だ。mixi、はてな、kakaku.comなどに書きこまれたレビューやコメント、ブックマークなど、また個人の Blog の内容がユーザー行動の動機に強く作用している。リリースがそのきっかけになることもよくあることだ。
インパクトのあるプレスリリースなら引用され別の Web サイトに掲載されることもある。それだけユーザーの反響を受ける機会も増える。
そこまで考えて対策するのは高度であるが、少なくとも自社サイト以外に告知をする行為を行わないと知ってもらえる機会が減る。ユーザーがどのような意識をもってそのリリースをとらえ、行動するかを考えるだけでも価値がある。
■Web サイトは、会社の鏡
以上が簡単であるが設立後、最初のサイトプロモーションで抑えておくポイントだ。Web サイトは対面で相手が見えるものではないので、対策を後回しにしがちであるが、Web サイトでその会社のイメージが判断され、Web サイトへの動線により会社やサービスの認知される度合いが大きく変わる。Web サイトは、会社の広報でもあり営業マンでもある。会社の Web サイトは会社そのもの、軽視すべきではない。今後、会社を設立する方、設立されたばかりの方の参考になれば幸いである。
米プロリテックは、店舗などを香りで演出するビジネスを日本市場で本格展開する。売上高を3年後に10億円、5年後に30億円に高める計画で、日本でも香りによる販売促進策が注目を集めそうだ。
≪独自開発の芳香器≫
プロリテックは米国の大手衣料品販売チェーンや有名ホテルを中心とした約100社に、空間に特定の香りを漂わせるための業務用アロマディフューザー(芳香器)を貸し出している。
独自開発のディフューザーは香りの粒子を細かくして空間に拡散させる仕組みのため、粒子が広範囲に広がるうえに、芳香持続時間が長いといった特徴がある。一方で、空間内に置かれた販売商品などににおいが付着する心配もない。
同社では1年半の店舗での実験を経て、若者に人気の米カジュアルブランド「アバクロンビー・アンド・フィッチ」を展開する小売りグループから、正式採用を受けている。
来日したプロリテックのロジャー・ベンシンガー副社長は「アバクロンビーでは香りを漂わせた店舗の方が売り上げが高くなった」と説明。また、香水を芳香原料として加工し、店内に漂わせたところ、香水の販売が伸びたケースもあったという。
これまで小売店舗の販売促進策では、ディスプレーやBGMなど視覚や聴覚に訴える手法が一般的。これに対して同社では、ブランドイメージや考え方などを、店を訪れた顧客に香りで伝える手法に注目し、研究を重ねてきた。
例えばカジノ施設では、エネルギッシュで自信を持たせる香りが効果的とされ「ルビーグランデマルガリータ」と呼ばれる香りを用いるほか、婦人衣料品店では女性が好むフローラルやシトラスの香りを流すという。日本の個人消費も冷え込んでおり、それだけに小売り各社は顧客獲得のための集客戦略を強化すると判断し、参入を決めた。
≪月額1万〜2万円≫
日本市場では、代理店契約を結んだ商社のアントレックス(東京都新宿区)を通じてディフューザーをリースによって提供。使用料は設置費用などを含め月額1万〜2万円程度になる見込み。顧客の求めに応じてオリジナルの香りの作製も請け負う。すでに、セレクトショップ「ジャーナルスタンダード」や「エディフィス」を展開する小売業ベイクルーズ(東京都渋谷区)への納入が決まった。
欧米ではダイレクトメールに自社のブランドの香りを入れたり、バス停などの広告ボードに特殊なディフューザーを設置するケースもある。プロリテックは「日本では小売店に加えてパチンコ店などにも設置したい」(ベンシンガー副社長)と意気込んでいる。
日本の小売り事業者の間でも最近、アウトドア用品店が店内を森林をイメージする香りで包んだり、高島屋新宿店(東京都渋谷区)が期間限定でディフューザーを設置するなど、香りを販売促進策として活用する動きが出ている。
白浜町の白浜温泉旅館協同組合は12日までに、組合に加盟する26施設の2008年の宿泊状況をまとめた。宿泊人員は118万5880人、前年に比べ0・3%の減少となった。しかし、客1人当たりの宿泊単価は3・8%(約500円)増え、近年では最高の伸び率を示した。07年秋から高級魚のクエを食材に取り入れ、温泉街を挙げて売り込みに力を入れてきた効果とみられている。
宿泊は1〜6月と9月が最大10%減から前年並みとなった一方、7、8月と10〜12月は前年並みから最大12%増と順調に推移し、累計で前年比4070人(0・3%)の減少にとどまった。
組合の小竹幸理事長は「07年と06年がともに前年比約10%ずつ増えていたことや、昨年9月以降の大変な金融危機を考えると、微減にはなったがよく踏ん張ったといえる。パンダによる集客効果が大きかったので今春も期待している」と話す。
「道路網の整備が進み日本海側や山口県方面といった、より遠方の団体客が獲得できるようになったこともプラス材料だった」と指摘する大手旅館もある。半面、大阪の泉南方面など近い所は日帰りが増えているといい、今年は団体旅行の新規獲得で競合の激化が予想されている。
宿泊単価は07年の約1万3700円から約1万4200円になった。宿泊単価が3%台のアップを見せたのは直近では1996年(3・0%)だけ。以降は微減と横ばいを繰り返しながら下落傾向にあった。
クエは鍋料理などに珍重されるが、漁獲が激減して量の確保が困難なため、特に大手宿泊施設では積極的にPRしにくかった。しかし、近畿大学水産研究所(白浜町)の協力で、一昨年秋に養殖クエの安定供給が受けられるようになり、昨秋からは組合加盟のほぼ全施設がメニューに組み入れた。
ある旅館は「鍋のシーズンだけをみると2000円近く宿泊単価を上げることができ、効果は絶大。大事に育てていきたい食材だ」と話している。